2011年9月22日木曜日

魔法の船 著:マキャフリー&ナイ

歌う船シリーズ第5弾。
言語学者のケフとそのパートナーの船キャリエルは14年をともにした異星探査チーム。
今回降り立った星では退化した人類が畑を耕すなかを探査中に”魔法”による攻撃を受ける。
その星では奴隷のような扱いを受ける下級民を管理する、上主として魔法を操る魔法使い達が血肉を争っている世界であった・・・。


今回のブレイン&ブローンは魔法の世界を旅するファンタジー・・・いやいや、しっかりSFです。
マキャフリーはファンタジーシリーズも書いてるのもあって、空飛ぶ魔法の描写は爽快。
しかし、魔法の原理にはしっかりとした設定があり、今回のお話の重要なキーワードでもあります。
魔法使いたちの不毛な争いや、魔法使いと下民の格差の問題、魔法の源である環境資源の問題、世界をより良くすることの難しさなど、現代の争いごとや問題に一石を投じています。
行き過ぎた"力"を争いごとに使い果たしてしまった世界はこうなる・・・と思うと他人事ではないなぁと。

そして肝心の主人公の二人は何年も連れ添った仲なので、お互いの扱いはお手のも。
逆に、ちょっと倦怠期ちっくな関係はシリーズとしては新鮮ではあるけども、退屈でもあるかなぁ。
やっぱり、嫉妬するブレインが観たいなぁw
そして今作にもちらっと出てくるシメオンですが、シメオンの続編や今作の続編があとがきであると書いてあったので楽しみです。

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