2012年1月22日日曜日

イギリス製のドタバタSFコメディといえば?


宇宙船レッドドワーフ号[1] 著:グラント・ネイラー


盗んだ車でタクシー運転手をしていた主人公のリスターは、地球へ帰るため大きな都市ほどもある巨大宇宙船レッドドワーフ号に乗り込む。しかし、地球へ帰るには数年の資源採掘をこなさなければならなかった。
コールドスリープで寝ていれば一瞬で済むことに気づいたリヒターは、コールドスリープに入った。
しかし、彼が寝ている間に放射能汚染事故がおき、彼と彼が助けた猫以外の乗組員は全滅してしまった。
宇宙船のAIであるホリーは寝ていたリヒターを起こさずに、放射性物質の汚染が収まる三百万年という途方も無い時間彼を眠らせたままにした。
ようやく、汚染レベルが下がりリヒターが起きたときには人類は滅亡し、彼は唯一の生き残りとなっていたのだった・・・。


う~ん、おもしろい!
H2G2が好きなら是非読んで欲しい作品。
宇宙船の事故でものすっごく大変なことになっているのに、それを知ってか知らずかどたばたと動き回る登場人物たちが楽しい。

2012年1月17日火曜日

ナウシカのことを誤解していたよ


風の谷のナウシカ 著:宮崎駿

7日間の終末戦争後、文明は崩壊し技術は失われた。
終末戦争の影響で強い毒をもった腐海の森が生まれ、森が広がるにつれ人々が生活できる土地が無くなりつつあった。
その森の影響がまだ少ない辺境にある風の谷に住む少数民族の王女ナウシカは、今日も腐海の中に入り腐海の森の秘密を探索していた。
その最中に、蟲たちの騒ぎを聞きつけ、樹の上から覗いてみると、輸送船が蟲たちに取り囲まれて今にも落ちようとしていのだった・・・。


知らない人はいないだろう、映画「風の谷のナウシカ」の原作漫画版。
映画版では語られなかった細かい設定が描かれている。
また、台詞(音声)でなく文字で読めるので頭に入ってきやすく、理解しやすい。
映画版のナウシカは、最後に体を張ってオウムを止める印象が強く、自己犠牲を美化してるようなとこが目について好きじゃなかったのだが、漫画版ではナウシカの特殊能力の描画が強くあったりと、単なる自己犠牲とは違うのかなと思えて印象が少し変わった。
漫画版を最後まで読まないとまだわからないけども・・・、いろいろ設定がわかって映画版をまた観たいと思った。
映画版が好きな人はもちろん、あまり好きでない人にもおすすめ。

2012年1月14日土曜日

理屈じゃない


サリコロ特攻隊 著:かんべむさし


平和で日和とした日本にアジア諸国からなるAJAF(反日連合軍)が突然宣戦布告。
貿易通路を絶たれ孤立した日本政府は非常事態となり、超法規的措置として軍部の人間が全権限を掌握。
しかし、物資も少ない日本側は”理屈”の上では普通に戦争するより犠牲が少なくなる、特攻部隊を結成することを決定。
健全な男性の中からコンピュータにより無差別抽選によって、特攻部隊を選出するのだが・・・。


星雲賞第八回長編賞受賞作品
星雲賞を順番に読んで八作目です。
今作はSFという感じはしない、というか少し不思議であってサイエンスフィクションではない気がした。
防衛省の伊東は犠牲者が少ないという理屈上で効率の良い方法として、特攻部隊を提案しているが、人間が効率が良いいう理屈だけで納得して特攻できるかというとそれは無理だろうと自分も思う。
丁度この震災後の放射能で汚染された土地を除染するなら、そのお金で移住したほうが効率的だという学者がいたが、確かに効率的かもしれないが、馴染んだ土地を離れるという住民の感情を考えていない理屈だけのこの学者は、物語の中で伊東がたどった末路と同じ顛末を是非味わって貰いたい。

「除染費用1兆円を被災者に渡しては」と江崎玲於奈氏提言

2012年1月11日水曜日

幼女でなく妖女


タイタンの妖女 著:カート・ヴォネガット


火星との惑星旅行中に太陽系に広がる時間等曲率漏斗に巻き込まれた、ラムフォードと愛犬カザックは、地球、火星、水星などを含めた様々な場所に量子的に同時に存在し、経験するという荒唐無稽の特殊な状態になっていた。
一方、大富豪の息子のマカライ・コンスタントは、マクレーンからの招待状を受け取り彼の屋敷に招かれ、ラムフォード夫人と出会う。
55日周期で地球へと現れるラムフォードの出現が迫り、彼の運命が決まろうとしていた・・・。


太陽系をまたにかけた物語は、一筆書きで書いたような構成で場面転換が唐突で理解しにくかった。
意味があるのかないのかわからないような(たぶんない)架空の本を引用した解説とか、ストーンヘンジや万里の長城は実は宇宙人の連絡用メッセージだったとかの物事は見かけどおりでない(重要そうに見えるがそうでない)というのは、自分が大好きなH2G2を彷彿させられた。
H2G2の方があとに出てるのでもしかすると、ダグラスはこれを参考にしてたのかなぁと感じる。
後半に出てくる、途方もない年月を部品交換のために待っているロボットなんて、マーヴィンっぽいしw
ただ、マーヴィンよりは前向きというか(彼が後ろ向きすぎるんだけどw)、ラムフォードと友達になりたがっているなどが違うけど、そういう人間臭いロボットっていうところが似てる。
あと、コンスタントがバスローブ着たままだったりとか・・・w
話自体はそうでもないけど、H2G2との比較という違った意味で楽しめました。実際のところダグラスは影響を受けてるんだろうか・・・?


と、書いたあとでH2G2と比較して考察してる文章を見つけた。いかに自分が適当に読んでるかわかる・・・。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』考

2012年1月6日金曜日

12月読んだものまとめ

資格本含めて15冊。
がんばれば200冊いけなくもないかな・・・。


12月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4136ページ
ナイス数:19ナイス

新 銀河ヒッチハイク・ガイド 下 (河出文庫)新 銀河ヒッチハイク・ガイド 下 (河出文庫)
★★★☆☆ マーヴィンが出てこなかったので星-2 
読了日:12月01日 著者:オーエン コルファー
家族八景 (新潮文庫)家族八景 (新潮文庫)
★★★★★ 人の心が読めなくて良かった 
読了日:12月03日 著者:筒井 康隆
へうげもの(11) (モーニングKC)へうげもの(11) (モーニングKC)
★★★★★ まだまだいろいろと元気な古佐であった 
読了日:12月05日 著者:山田 芳裕
Bronze Oracle Database 11g SQL基礎I編(試験番号:1Z0-051) (DVD付) (オラクルマスター教科書)Bronze Oracle Database 11g SQL基礎I編(試験番号:1Z0-051) (DVD付) (オラクルマスター教科書)
★★★★☆ わかりやすいが、模擬が1種類だけなので本試験は運が必要 
読了日:12月05日 著者:株式会社システム・テクノロジー・アイ 林 優子
七瀬ふたたび (新潮文庫)七瀬ふたたび (新潮文庫)
★★★★☆ 一作目とがらっと雰囲気が変わっているがこれはこれでおもしろい 
読了日:12月09日 著者:筒井 康隆
へうげもの(12) (モーニングKC)へうげもの(12) (モーニングKC)
★★★★★ 利休に続き秀吉の最期も憎い演出 
読了日:12月11日 著者:山田 芳裕
楽譜を使わない作曲入門 R付楽譜を使わない作曲入門 R付
★★★★★ 読みやすいし入門に最適 
読了日:12月15日 著者:御池 鮎樹
7日間完成 英検5級予想問題ドリル (旺文社英検書)7日間完成 英検5級予想問題ドリル (旺文社英検書)
★★★★☆ さすがに簡単すぎた。例題のバリエーションは少ない。 
読了日:12月17日 著者:
エディプスの恋人 (新潮文庫)エディプスの恋人 (新潮文庫)
★★★☆☆ 七瀬の悩みが解決されてないので消化不良 
読了日:12月20日 著者:筒井 康隆
Bronze Oracle Database【DBA11g】編(試験番号:1Z0-018J)(DVD付) (オラクルマスター教科書)Bronze Oracle Database【DBA11g】編(試験番号:1Z0-018J)(DVD付) (オラクルマスター教科書)
★★★★☆ 本番は参考書に載ってない問題が出るので注意 
読了日:12月25日 著者:株式会社システム・テクノロジー・アイ 林 優子
へうげもの(13) (モーニングKC)へうげもの(13) (モーニングKC)
★★★☆☆ 前巻で盛り上がったので小休止かな。キスマークに吹くw 
読了日:12月25日 著者:山田 芳裕
変見自在 サダム・フセインは偉かった (新潮文庫)変見自在 サダム・フセインは偉かった (新潮文庫)
★★★☆☆ ものの見方は一つではないとわかる 
読了日:12月25日 著者:高山 正之
風果つる街 (角川文庫)風果つる街 (角川文庫)
★★★★★ 男、金、酒、女、そして将棋 
読了日:12月27日 著者:夢枕 獏
逃げる百姓、追う大名―江戸の農民獲得合戦 (中公新書)逃げる百姓、追う大名―江戸の農民獲得合戦 (中公新書)
★★☆☆☆ 現代の社畜を百姓とすれば走りはいわば転職みたいなもんかな? 
読了日:12月28日 著者:宮崎 克則
神はサイコロを振らない (中公文庫)神はサイコロを振らない (中公文庫)
★★★☆☆ そもそもサイコロを振る神はいない 
読了日:12月30日 著者:大石 英司

2011年12月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2012年1月2日月曜日

「準」ひきこ森 著:樋口康彦


本書は部屋からでない引きこもりと通常の生活を送る人の間にあるような、学校と家の往復はするがコミュニケーションはまったくとらず、自分の世界に篭っているようなタイプを著者は準ひきこもりと定義して、その実態を実際の例をあげて検証している。
準ひきこもりに対して痛烈な批判・・・というより、罵詈雑言のようなまるでひきこもりの人格を無視しているような言葉が続く。
それは、著者が元準ひきこもりであり、ひきこもりの人間はこれくらい言わないと自覚しないだろうということだ。
まぁ、わからなくないがはっきりいって自作の詩を載せている著者が一番気持ち悪いのだが・・・。
準ひきこもりの定義はいいが、そこからどう立ち直るかなどの建設的なことがまったくといって良いほど書かれていないので、現在準ひきこもりとして悩んでいる人は読んでも気分が悪くなるだけなので読まないほうが良い。
著者は自身の就職失敗の経験から、準ひきこもりは就職できないと一刀両断しているが、社内ニートという言葉があるように、会社と家を往復するだけのような人間はたくさん居る。
会社を選ばなければいくらでも就職口はあるのだし、そういう意味では著者の視野は狭いし、持論を正当化するデータしか見ていないように思う。
ただ、一般化せず自分の意見として書いているところは最低限の良心があるのだなと感じた。

ちなみに自分は元ひきこもり、現準ひきこもりのだが5年以上会社員をしていて、それが本書を手に取ったきっかけである。
本書を読んで何かに役立てればと思ったがまったくの無駄であった、準ひきこもりとして悩んでいる方はちゃんとしたセラピー本を読んだほうがいいだろう。

2011年12月30日金曜日

神はサイコロを振らない 著:大石英司


十年前に消息を絶った航空機が、とある科学者が予言したとおりに現代に出現。
彼がいうにはマイクロブラックホールの影響で時空を超えて現れたのであり、三日後には元の世界へと戻ってしまうという。
奇跡か、神のいたずらか・・・航空機事故で死んだことになっている乗客達とその遺族との最後の三日間がはじまる。


十年前に消息を絶った航空機が現れるというとんでもSF設定の一見とんでも小説だが、もちろん中心はそこではない。
航空機に乗っていた個性的な乗客のそれぞれの人間ドラマが、十年振り(といっても乗客達時間軸は十年前と変わらず回りだけ十年後)に動き出すところが本書の核。
ただ、乗客それぞれの設定はうまいと思うし、魅力的なんだけど、三日後に消える部分があっさりとしていて盛り上がりに欠けた。
そこが大事だろうと思うんだが書いててめんどくさくなったんだろうか・・・。
正直最後は大団円ですごい泣けるだろう泣けるだろう思って読んでいたが、これっぽちも泣けず拍子抜けであった。
十年後の世界に戸惑う感じ、限定された時間、再会からの遺族の再起と設定を活かしたドラマはすごいいいんだけど、いかんせん最後が・・・。
確かに盛り上がる展開だし、盛り上がってたんだけど、なんだかな~ベタでもいいのでもっと感情的に書いても良かったんでないかな。
いくら三日後に消えるのがわかっていたとしても遺族があっさりし過ぎな・・・と書いていて思ったが、あれか、十年たってるから心の整理がみんなついてるともいえるのかな。
だけど、ついてなさそうな人らもいたじゃん、もっと未練たらたらに・・・と書いててもまとまらないのでまとめ。

本書は神はサイコロを振らないと偶然で世界は成り立っていないというアインシュタインの言葉を題名にしているとおり、奇跡は科学的に説明でき偶然ではなく、三日後に消えるという予定条項も自然の流れの一部として描かれている。
だけど、その一連の出来事から影響を受けた人々の心は、アインシュタインであろうと科学や理論で説明できるものではないと思いたい。
それらは人の思い、考えという”偶然”の上で成り立っているし、人の運命は決まっているものでは無いと思う。
ま、そもそも神はサイコロを振らないでなくサイコロを振る”神はいない”というのが僕の信念だけど。