日本を支配しているのは誰だろう?内閣総理大臣?天皇陛下?
いやいや、日本経済を監督している財務省?
ところがどっこい、その経済を、円を支配し果ては日本を牛耳っているのは日銀総裁だった。
って書くと陰謀論みたいだが、そんな怪しいものでなく本著ではそれなりのデータにのっとった
説得力のある理論で真実の支配者を赤裸々に暴いていく。
著者はエコノミスト達が良く経済の指標にしている金利を捨て、銀行の融資枠、信用創造力こそが経済の鍵だと説く。
80年代バブルはまさにその信用創造力が爆発し、融資枠が無尽蔵に増えた結果、生産性を伴わない投機的な投資が増え、不良債権の製造に繋がった。
信用創造自体は悪いものではなく、生産性を伴っているうちは経済が拡大する。
問題は生産性を超えた貸し出しである。では何故、生産性を超えた融資を銀行は行うのか・・・そこで日銀の登場である。
著者が指摘しているとおり日銀は昔から窓口指導と称する銀行への融資額及び融資先の指導を行ってきた。
これには罰則が伴っており、融資枠を越えたり足りなかったりした際には融資枠を減らされてしまうのである。
これによって銀行は指導された融資枠いっぱいの融資をせざるを得なくなったのだ。
そして必要以上に融資枠を広げバブルを作った後、属にいう総量規制が90年代初頭行われた結果バブルが崩壊、失われた20年となったのだ。
さらに著者はもう一歩踏み込んで、では何故支配者はバブルを創造し破壊するのか?
答えは変革にあるようだ。支配者達は自分達の独立性を得るために経済を混乱に貶める。
それを証拠に80年代バブル後大蔵省は解体され日銀は独立した。もう日銀を止める手立てはないのである。
そして著者は世界へ目を向ける。世界共通通貨だ。
世界共通通貨に反対するのはもちろんアメリカだが、ドルが崩壊すれば話しは別だという。
現在進行形でドル安真っ最中だが、この先には世界中央銀行の世界支配がまっているのかもしれない・・・。
本書は10年前の書籍だが、アメリカの証券市場の加熱を危惧してのちのリーマンショックを予想していたり、現在のドル安の先にあるものを指摘していたりと非常に的を射ているように思う。
今後の経済動向を予想し、世界共通通貨の世界支配という大波に流されないようにするための必読書だろう。
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