2011年11月1日火曜日
タイムマシンの話 著:都筑卓司
先日、とある実験でニュートリノの速度が光速を超えて飛んだ!と話題になった。
新聞各紙ではタイムマシンが現実にと大騒ぎだったが、実際にそれは可能なのか?っと本書を手に取る。
結果的に、この実験は間違っていた可能性が高く残念だったが、本書ではタイムトラベルによるパラドクスから素粒子、相対性理論、光速を超える粒子タキオンなどなど、時間旅行に言及しつつ、主に粒子を解説している本。
特殊相対性理論では、真空中での光の速度は観測者の状態がどうあろうと一定とし、動いている観測者の時間が遅くなる(その観測者から相対的に遅い観測者から見た場合)と定義されている。
そして、光速を超えると時間をさかのぼってしまう・・・が、光速を超えるには無限の質量が必要であり、そのことがタイムマシンの足かせになっている。
では、光速を超えるの粒子は存在しないのか?という疑問の答えは理論的には存在するのだという。
それがタキオンであり、”質量がマイナス”の粒子なのだ。
質量がマイナスの粒子は通常の粒子の真逆の性質があるそうで、光速に近づくほどエネルギーは消費せず逆に遅くするには無限の質量が必要となる性質を持っているらしい。
ただ、質量がマイナスの粒子は理論上でしかまだ存在しておらず、そもそも観測可能なのか疑問だ。
本書では粒子とは何かからはじまって、反物質とはどういうものかを詳しく解説している。
だが、導入部はタイムパラドクスの物語があり一般向けと見せかけて、後半で数式やグラフが多く登場し、わかりずらい例題も続くので注意が必要。
ただ、それ以外の部分では著者がなんとかわかりやすくしようと努力しているのがうかがえ、粒子についてちょっと詳しくなりたいという読者にオススメの一冊だ。
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