サリコロ特攻隊 著:かんべむさし
平和で日和とした日本にアジア諸国からなるAJAF(反日連合軍)が突然宣戦布告。
貿易通路を絶たれ孤立した日本政府は非常事態となり、超法規的措置として軍部の人間が全権限を掌握。
しかし、物資も少ない日本側は”理屈”の上では普通に戦争するより犠牲が少なくなる、特攻部隊を結成することを決定。
健全な男性の中からコンピュータにより無差別抽選によって、特攻部隊を選出するのだが・・・。
星雲賞第八回長編賞受賞作品
星雲賞を順番に読んで八作目です。
今作はSFという感じはしない、というか少し不思議であってサイエンスフィクションではない気がした。
防衛省の伊東は犠牲者が少ないという理屈上で効率の良い方法として、特攻部隊を提案しているが、人間が効率が良いいう理屈だけで納得して特攻できるかというとそれは無理だろうと自分も思う。
丁度この震災後の放射能で汚染された土地を除染するなら、そのお金で移住したほうが効率的だという学者がいたが、確かに効率的かもしれないが、馴染んだ土地を離れるという住民の感情を考えていない理屈だけのこの学者は、物語の中で伊東がたどった末路と同じ顛末を是非味わって貰いたい。
「除染費用1兆円を被災者に渡しては」と江崎玲於奈氏提言
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