2010年4月22日木曜日

【書評】ループ(著:鈴木 光司) - 角川書店

10年ぶりくらいにリング・らせんに続く完結編ループを読んだ。
発売当時リング・らせんが映画化され、テレビ画面から出てくる貞子に衝撃を受けた人も多いと思う。
リング・らせんはテレビドラマや映画では映像や演出にインパクトを与えるためかホラー作品として作られているが
原作ではどちらかというと、オカルティックな事象を科学的検知から解明しようとしており
一週間で死ぬという"ビデオの呪い"もリングウィルスという科学的な答えを出している。
ただし、貞子の能力や出生については非科学的な部分があった。
そして、前作に残っていた非科学的な部分を科学的な答えを提示したのがループなのだ。
その答えについては賛否両論あるようだが、ホラーではないという指摘が多い。
しかし、このシリーズは最初からホラーではないためとんだ的外れな指摘だ。
呪いや超能力、死者からのメッセージといったオカルティックな事象に
科学的な説明を提示する本シリーズは"SF作品"なのである。

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