2011年12月30日金曜日
神はサイコロを振らない 著:大石英司
十年前に消息を絶った航空機が、とある科学者が予言したとおりに現代に出現。
彼がいうにはマイクロブラックホールの影響で時空を超えて現れたのであり、三日後には元の世界へと戻ってしまうという。
奇跡か、神のいたずらか・・・航空機事故で死んだことになっている乗客達とその遺族との最後の三日間がはじまる。
十年前に消息を絶った航空機が現れるというとんでもSF設定の一見とんでも小説だが、もちろん中心はそこではない。
航空機に乗っていた個性的な乗客のそれぞれの人間ドラマが、十年振り(といっても乗客達時間軸は十年前と変わらず回りだけ十年後)に動き出すところが本書の核。
ただ、乗客それぞれの設定はうまいと思うし、魅力的なんだけど、三日後に消える部分があっさりとしていて盛り上がりに欠けた。
そこが大事だろうと思うんだが書いててめんどくさくなったんだろうか・・・。
正直最後は大団円ですごい泣けるだろう泣けるだろう思って読んでいたが、これっぽちも泣けず拍子抜けであった。
十年後の世界に戸惑う感じ、限定された時間、再会からの遺族の再起と設定を活かしたドラマはすごいいいんだけど、いかんせん最後が・・・。
確かに盛り上がる展開だし、盛り上がってたんだけど、なんだかな~ベタでもいいのでもっと感情的に書いても良かったんでないかな。
いくら三日後に消えるのがわかっていたとしても遺族があっさりし過ぎな・・・と書いていて思ったが、あれか、十年たってるから心の整理がみんなついてるともいえるのかな。
だけど、ついてなさそうな人らもいたじゃん、もっと未練たらたらに・・・と書いててもまとまらないのでまとめ。
本書は神はサイコロを振らないと偶然で世界は成り立っていないというアインシュタインの言葉を題名にしているとおり、奇跡は科学的に説明でき偶然ではなく、三日後に消えるという予定条項も自然の流れの一部として描かれている。
だけど、その一連の出来事から影響を受けた人々の心は、アインシュタインであろうと科学や理論で説明できるものではないと思いたい。
それらは人の思い、考えという”偶然”の上で成り立っているし、人の運命は決まっているものでは無いと思う。
ま、そもそも神はサイコロを振らないでなくサイコロを振る”神はいない”というのが僕の信念だけど。
2011年12月28日水曜日
逃げる百姓、追う大名―江戸の農民獲得合戦 著:宮崎 克則
年貢が払えない百姓が逃げることを”走り”といい、生活に困った百姓が違う領地に走る。
領地を支配する大名はそんな彼らを追いかけ、隣地の大名と交渉して百姓を取り返す。
そんなやりとりを、残っている史科から検証している本。
題名とは裏腹に中身はいたってまじめで、史科を引用して著者の意見を淡々と述べている。
新書だと甘くみてもう少し軽めの内容を想像していたので重かった。
歴史初心者には辛いね、詳しい人には楽しめるかもしれない。
2011年12月27日火曜日
風果つる街 著:夢枕獏
将棋連盟に属さずに、賭け将棋の収入のみで生きているいわば裏のプロ棋士、真剣師の孤独な勝負の記録。
銀髪の真剣師岩倉が放浪地でに日当を稼ぐ勝負で出会う様々な人々と将棋を通じた一見異常だが、どこか人間身もある交流を描く。
獏さんが書く、特定のものに打ち込む男たちを描いたシリーズは神々の山嶺で出会って、鮎師を読んでこれで3冊目。
生きるすべを知らない不器用な男が得意とする唯一のものに対する姿勢は、ただただかっこいい。
風果つる街は将棋の話だけど、将棋を知らなくても十分楽しめる。
自分も駒の動きを知っている程度で、あまり詳しくはないが特に困ることは無かった。
重要なキーになるとある型が出てくるので、将棋の定石や型を知っているとさらに楽しめるだろう。
ただ、それよりも主人公が出会う将棋しかない男たちの生きざまは、ただの会社員としてぼけっと生きる自分には羨ましくも映る。
そんな彼らの生き方は悩む息子に語る岩倉のこの台詞でも表れている・・・
「人間ってのはよ、結局、その人間のやり方でしか生きられねえようにできてんのさ。どうじたばたしたってよ。おれは、こういう風にしか生きられねえ。おまえも、おまえのようにしか生きられねえんだよ。だから、安心しろ」風果つる街298ページから引用
会社員としてぼけっと生きる、放浪やあるものに一心不乱に賭けるのは羨ましく映るが人にはそれぞれの生き方があってそれはそれでいいと。
あとがきでも書かれているように、人は誰しも放浪に憧れている部分はあるがそれはなかなか実現できないと思う。
その羨望を獏さんの男の生きざまシリーズを読んで少し満たすのが良い具合なのかもしれない。
2011年12月25日日曜日
変見自在 サダムフセインは偉かった 著:高山正之
週刊新潮の同名コラムをまとめたもの。
朝日新聞、中国を滅多切りは痛快だがその結論ありきで持論のためにいろんな出来事を引用しているのが変見自在たる所以か?
どうにでも解釈できることを持論のためにひっぱるのは上手いというか説得力のます方法だとは思う。
知識がないとできないことだけど、強引な解釈がないこともないので流すところはさらっと流したほうがいいかもしれない。
ただ、共産主義国のパクリの実態に触れたコラムで、中国の新幹線の行く末を懸念しているのが今年本当に脱線事故を起こして現実のものになっていて、あながち間違っていないのも事実。
報道されたことを鵜呑みにしないで、何事も角度を変えていろいろな方面から解釈しないと教えられました。
最終的には自分の利益になるような団体、組織を信じるしかないとは思うけどね。
へうげもの13 著:山田芳裕
秀吉亡き後、三成+秀頼勢と徳川勢の確執が広がっていく中、古織はどちらに付くのか・・・。
各陣営のそれぞれの思惑が交差しておもしろい。
数寄者がメインの本作において、数寄を理解できないと暴露した三成の行く末をみるにやはり数寄こそ天下とりに必要なものといいたいのかな。
とくにゃんはとくにゃんで熟女好きが前面に出てて、羽織の裏のキスマークには笑うしかないw
東西決戦も迫る中、隠居した古織の老後はどうなることやら・・・。
Bronze Oracle Database【DBA11g】編(試験番号:1Z0-018J)
データベースの大手オラクルの資格であるブロンズのDBA編の参考書。
先日、SQLには合格したので今回はDBA編。
データベースソフトウェアのインストールからはじまって、初期設定、起動、停止、バックアップリカバリ、ユーザー管理、セキュリティーなどの一通り学べます。
SQL編では問題集に無い問題が本番で出てきて焦ったので、今回はネットで検索して他の問題もチャレンジして準備万端にしてから試験を受けました。
問題集
http://jibun.atmarkit.co.jp/scenter/ittrain/117_cal201101.html
間違いやすい項目
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/bdbap01/bdbap01.html
が、本番ではやはり参考書には載ってない一歩踏み込んだ問題やあいまいな問題が出ました。
参考書では90%以上の正答率でも、本番では62%と合格ラインぎりぎりでした。
もうほとんど勘の勝負・・・。
そして、間違えた箇所は曖昧に教えて貰えますが、はっきりとはわかりません。
なので、すごくもやもやしたものが残ります。
あの問題の答えは実はこうだとしっかり教えてもらえないと、理解できないんですけど。
こういうオラクルの姿勢は本当に管理者を育てたいのかは疑問・・・。
まぁ、誰でも取れるとなると資格の価値が無くなりそうではありますが。
といってもこの合格ラインでは誰でも取れるレベルではあるが符に落ちない。
なんにせよ、これでDBAとSQLに合格して晴れてオラクルブロンズの資格を得ることができました。
次はPL/SQLのシルバーを受ける予定。
2011年12月20日火曜日
エディプスの恋人 著:筒井康孝
家族八景、七瀬ふたたびに続くシリーズ第三弾。
ふたたびはラストで壮絶な展開で終わったのが嘘のように今作では、七瀬が教職に付いており、校内で特異な事件が起きるところからはじまる。
とある生徒に野球部が放ったボールがぶつかりそうになるのだが、ぶつかる直前でボールがずたずたに破壊されたのである。
それを聞いた七瀬はこの生徒が自分と同じ超能力者である可能性が高いと調査を始めるのだが・・・。
ふたたびの続編ということで、あのラストのあとどう繋げるのかと思ったらいきなり日常ではじまってびっくり。
時系列的にふたたびの前なのか?と思って読み進めると物語が佳境に進むにつれてその理由が判明してまたびっくり。
このラストは少々反則気味な気もしますが、七瀬の能力であるテレパスを使って事件を調査する過程はこのシリーズでは
おなじみの、醜い人間の本性が垣間見つつも冷静に対処していく様は痛快で読んでいて心地いい。
前作で七瀬は超能力者を駆逐する集団と対峙したときに、超能力者がなぜ生まれたのかと悩んでいましたが
その回答が今作のラストなのでしょうか・・・。
メタな話に捉えると小説での絶対神というのは、著者であると思う。
なので、本作で登場するあの存在は著者を投影した存在と考えることもでき、七瀬の代わりに破瓜を味わうというかなりイっちゃった願望は
物語の中でも母と息子という禁断の愛と書かれているように、著者が小説内に入って登場人物の代わりに体験するという禁断の願望を実行したのかもしれない。
もちろん、あの存在が息子を愛していたからこその行動であり、著者も七瀬をそれだけ愛しているという裏返しなんだろうと思う。
七瀬ふたたびで家族八景との変わりように驚いたように本作で前作の繋がりのなさに驚いたが、三作とも少々繋がりのある別作品と思って読むのがいいのかも。
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