2011年9月30日金曜日

さようなら、いままで魚をありがとう 著:ダグラス・アダムス

H2G2シリーズ三部作の4冊目。
新ガイドに向けて再読しはじめてようやく4冊目、いつになったら新ガイドに手を付けられることやら・・・。

今までのスペース活劇を捨て去って今作はアーサーのラブストーリー。
あとがきでも書かれてる通りSFファンには残念な感じ、読み飛ばして良い(作者が中でそう書いているw)。
自分もあんまし好きじゃない、マーヴィンも最後しか出てこないし。
でも、出てきたときのおかしさはピカ一かな~w
あれこれあって宇宙の寿命の37倍も生きてるとか、初登場時に言ってた痛むダイオードが全身リストアしてるくせに残ってるとかw
痛い~交換してないとこ痛いわ~とか地獄のみさわかとw

今作は大筋があんまりなくて、細かいエピソードがちりばめられてるが、原著というかイギリス文化、英語を理解しないとわからないのが悔しい。
イギリス人に産まれて全部理解したかった。

伝説の船 著:ジョディ・リン・ナイ

歌う船シリーズ第6弾。
今作は初の続編で、前作魔法の船で登場したブレインのキャリエルとそのパートナーでありブローンのケフの二人が主人公。
前作で訪れた辺境の惑星オズランの住民”玉蛙”の故郷に向かうところからはじまる。
故郷を出て数十世代経っているため蛙たちは故郷に馴染めるか不安であったが、ケフ達の仲介もあってなんとか無事に故郷の仲間と打ち解ける。
そして”玉蛙”あらためクリディ人たちが、中央諸世界に加わるための契約を終結させる寸前に新たな事件が起こりブレインブローンの新たな冒険がはじまる・・・。

今作では前作でも触れられていたキャリエルのトラウマにも迫ります。
そして、新たな種でグリフォンのようなテリエル人も登場。
蛙もそうだけど、人型以外の異星人、本当の意味でのエイリアンとのファーストコンタクトのどたばたや、彼らの言語や生活様式をキャリエルとケフが少しずつ解明していくがとてもワクワクさせてくれる。
戦う都市では戦闘でのコンタクトだったので不快な部分もあったが、今回は友好的なコンタクトで安心して読める。
前作でもあったご都合主義的な唐突な展開は、鼻に付くかもしれないが大団円で迎える終わり方は是非是非読んで味わって欲しい。
ひさびさに読後感爽やかで、いつまでも浸っていたい作品だった。
映像化されないかな~。

2011年9月28日水曜日

利己的な遺伝子 著:リチャード・ドーキンス


リチャード・ドーキンスの名著、利己的な遺伝子なんとかがんばって読了。
太古の海で発生したアミノ酸の集まりが、遺伝子となり、細胞を持ち、自己複製を始めた時に生物の目的は自身の遺伝子を複製することに決まった。
その目的を基本として考えると、自己犠牲を元にした利他的な行動から連想される郡淘汰という考え方は否定されるという。
郡淘汰とは利他的な行動を行う群は利己的な行動を行う郡より自然淘汰に強いという説。
すなわち、生物の目的は自分の種を繁栄させることではなく、自身の遺伝子を複製することであり、一見利他的な行動もそれは最終的には自分の利益になる利己的な行動に繋がっているのだ。

さらに、生物は遺伝子を運ぶ機械とも説く。遺伝子は生物を操っている。
この操っているというのは、知的であると認識し自身の行動は自分で決めた意志であると思っているとなかなかピンとこないかもしれないが、ドーキンスが言うには遺伝子によって現れる生物的な特徴(例えば男や女)によって操っているということらしい。
男として生まれたら、生理的に女としての行動は取れないのは当たり前だ。
性差という最もたる特徴以外の細かい特徴は、すべて遺伝子によって決まり、その特長によって行動が制限されたり、才能が開花したりすると考えると確かに操られている気がしてくる。
そして、遺伝子的に及び生物的に有利な特徴を持った個体は子孫を残す、遺伝子を複製するという目的を達成し、遺伝子の操作は完了する。
しかし、人間は避妊することによって遺伝子の目的である自己複製を抑制し抗ってもいて、知性を持つということは遺伝子に抗うことなのかもしれない・・・と思ったり。

他にも文化的遺伝のミームという考え方や、遺伝子がそれが属する個体だけでなく外の世界まで影響するといったことも語られる。

最後に・・・名作漫画”寄生獣”の中でちらっと出てきたのが読んだきっかけ。
これを読むとパラサイトは自己複製子(遺伝子)のアンチテーゼそのもの、いうなれば自己破壊子なんだと再確認。
ま、実際共食いするし、ふと誰かが思って沸いた種なので当たり前だけど。
そのアンチテーゼである田宮怜子が自己犠牲で子どもを守った=新たな生き方=進化とかいろいろ考えてしまう。
自身の生き方に疑問を感じ、新たに進化したい人におすすめの一冊。っていうのは大げさか。

2011年9月26日月曜日

へうげもの7 著:山田芳裕

北条攻めで関東に陣を牽く秀吉勢。
ちゃっかり鎌倉観光している面々に笑うw
戦の中にもこういう、趣味に興じたところはなかったとは言えないよねぇ。

そして、利休と秀吉の確執がさらに広がって・・・堺追放までもう少しか。
利休の野望を知ってしまった、古田はどうするか?
ま、古田のことなので織田への忠誠より、器をとるか・・・w

茶々の思惑も現実的でいいねぇ。
昔の女性だって奥ゆかしいばかりでなく、腹黒さもあったよね。

2011年9月22日木曜日

魔法の船 著:マキャフリー&ナイ

歌う船シリーズ第5弾。
言語学者のケフとそのパートナーの船キャリエルは14年をともにした異星探査チーム。
今回降り立った星では退化した人類が畑を耕すなかを探査中に”魔法”による攻撃を受ける。
その星では奴隷のような扱いを受ける下級民を管理する、上主として魔法を操る魔法使い達が血肉を争っている世界であった・・・。


今回のブレイン&ブローンは魔法の世界を旅するファンタジー・・・いやいや、しっかりSFです。
マキャフリーはファンタジーシリーズも書いてるのもあって、空飛ぶ魔法の描写は爽快。
しかし、魔法の原理にはしっかりとした設定があり、今回のお話の重要なキーワードでもあります。
魔法使いたちの不毛な争いや、魔法使いと下民の格差の問題、魔法の源である環境資源の問題、世界をより良くすることの難しさなど、現代の争いごとや問題に一石を投じています。
行き過ぎた"力"を争いごとに使い果たしてしまった世界はこうなる・・・と思うと他人事ではないなぁと。

そして肝心の主人公の二人は何年も連れ添った仲なので、お互いの扱いはお手のも。
逆に、ちょっと倦怠期ちっくな関係はシリーズとしては新鮮ではあるけども、退屈でもあるかなぁ。
やっぱり、嫉妬するブレインが観たいなぁw
そして今作にもちらっと出てくるシメオンですが、シメオンの続編や今作の続編があとがきであると書いてあったので楽しみです。

2011年9月21日水曜日

神の雫23 作:亜樹直 画:オキモト・シュウ

第7の使徒編。
雫と一青はそれぞれ、新世界ワインに目を向けて、オーストラリアとアメリカにいくが・・・。

使徒探しも後半戦に入って雫に変化が。
12使徒の意味も明らかになりそうなところで、ロベールじいさん!!
いままでの傾向から神咲豊の人生を現しているっぽいけど・・・さて。

【コラム紹介ワインまとめ】
エルカヴィオ・ロブレ 2005年 スペイン/マス・ケ・ヴィニョス社
パライソ・ヴィンヤーズ『ピノ・ノワール』サンタ・ルチア・ハイランド 2005年 アメリカ/カリフォルニア州
甲州きいろ香 2007年 日本/メルシャン社 シャトー・メルシャン
マクウィリアムズ・マウント・プレザント・エステート「ミュージアム・エリザベス」セミヨン 1997年 オーストラリア/ハンター・ヴァレー
ふらのアイスワイン”F”ルージュ 2007年 日本/北海道 ふらのワイン
ピノ・ノワール シャルドネ ピノ・ムニエ 2005年 オーストラリア/ヤラ・バーン スパークリング


2011年9月18日日曜日

CODE VERSION 2.0 著:ローレンス・レッシグ

コードとは?
goo英和辞書より引用
1 法典, 法律の集大成
the code of civil [criminal] procedure
民事[刑事]訴訟法
the Code of Hammurabi
ハンムラビ法典.
2 (行動・道徳・社会生活上の)規準, 慣例, 礼儀作法
a dress code
(軍隊・学校などの)服装のきまり
a code of conduct
作法, 行動規範
a code of practice
(職業上の)倫理規定.
3 コード, 信号法
Morse code
モールス符号
a code of signals
信号法.
4 暗号, 記号(体系), 略号(体系);(暗号体系の)文字, 語, 数字, 記号
a message [a telegram] in code
暗号電報.
5 《コンピュータ》コード, 符号;《生物》遺伝コード[情報](genetic code).
6 ((英))(電話の)局番, 地域番号(dialing code, STD code).



本書ではサイバー空間における規制のありかたを、現実空間とサイバー空間の違いを元に論じる。
また、デジタル技術が発達し、コンテンツの無制限コピーが可能になった時代の著作権のあり方や、そもそも古い時代に作られた法律を現代に適用するにはといった問題、果ては民主主義など多岐に渡って論じている。

サイバー空間ならではの規制としてプログラミングコードがあり、これは実空間のコード、すなわち法律のように行われた違反行為に対する罰則を決めて規制するのではなく、そもそも実行不可能にすることができるという点がある。
現実ではいくら無差別殺人が死刑になるといってもそれを止めることはできないが、サイバー空間上ではそもそも無差別殺人ができないように”することができる”のだ。
ただ、これも”することができる”のであって、じゃぁそれがすべきなのか?というのは別の問題であり(例の無差別殺人はほぼ間違いなくしたほうがいいと思うけどw)、自由のなかでどういったことを規制していくのか、という問題にサイバー空間の住民としてちゃんと向き合わなくてはならない。

じゃ、規制とはどういうものかということで規制の方法には四つの様式があるとあげられている。
それは、法、市場、規範、アーキテクチャだ。
上記の例はアーキテクチャに該当しているが、それ以外にも規制する方法があるということを知っておかなければならない。
そして、自由であるために規制があることを認識し、上記の四つの規制を組み合わせて上手にかけなければならない。
特に利用者としてのインセンティブを守るために法律だけでの規制、市場だけでの規制は阻止しなければならない。

こうして自由にクソみたいな読書感想文をブログに書けるのも、ついったーでうんこなうとつぶやけるのも、サイバー空間の自由が守られているからだ。
この自由をこれからも満喫するために、本書でサイバー空間の規制について学び、サイバー住人として規制に対する問題意識を持とう。


致命的な誤訳が多々あるのでこちらを参照。
CODE Version 2正誤表